解決事例 (相続)

CASE1
相続登記
抵当権

 

 父が亡くなり、遺産分割協議書を税理士に作成してもらい相続税の申告後、当事務所へ依頼。土地には父が生前に銀行から借り入れをした際の担保権がついていた。

ご相談の概要

 依頼者のAさんは、父親が亡くなり、Aさんの母と、Aさん、Aさんの妹の計3名で父親の不動産を相続した。

 Aさんのお知り合いの税理士に遺産分割協議書を作成してもらい、相続税の申告が終わった後、

 不動産の名義変更のため、当事務所へ依頼。

 1つの土地には、登記簿を確認すると、父親が生前に銀行からの借り入れたときに設定した担保権(抵当権)がついている状態だった。

 

 不動産の名義変更及び抵当権の抹消の要否について確認し、相続手続きを進めて行く。

司法書士いわい法務事務所の手続き

 各土地の相続人は税理士が作成した遺産分割協議書に記載されていたため、Aさん、Aさんの母、Aさんの妹に

相続内容に誤りがないか確認をする。

 また、1つの土地に付いている担保権(抵当権)の借り入れについては、現在も支払継続中であったため、担保権は抹消せず、そのまま残す必要があった。

 ただし、登記簿には、債務者(お金を借りた人)として亡くなったAさんの父親の名義のままなので、

相続人へ【債務者の変更登記】をする必要性がある。

(借入先の金融機関によっては、「債務者の変更登記は特段不要」とする所もある)

 金融機関へ確認をしたところ、債務者の変更登記をしてほしいという要望があったことから、債務者の変更の登記も並行して進める。

 債務者の変更登記については、検討を要する場面があった。

 

債務者変更登記

 遺産分割協議書には、借入の債務はAさんが相続し、全て支払っていくという取り決めになっていた。

 しかし、相続人間で決めただけでは、金融機関に対してAさんのみが債務者になる旨を主張できない。

 その理由は、「相続した債務は相続人全員が支払義務がある」と法律で定められているからである。

 債権者(金融機関)からしてみれば、勝手に支払者を相続人の一人にされてしまうと、その相続人に返済能力が無かった場合、お金の回収が出来なくなってしまうので、上記のような法律がある。

 逆に言えば、金融機関の承諾があれば、遺産分割協議書通り、債務者をAさんのみとすることができる。

 そのため、金融機関の意向を確認。

 金融機関によると、金融機関もすでに相続人一同と合意済みであるため、債務者をAさんのみに変更する手続きをお願いしたいということだった。

 

 相続により、債務者の変更登記が必要となる場合、一旦債務者は相続人全員の名前を入れることになる

 一旦債務者に相続人全員の名前を入れた後、

 今度は、【債務引受】を原因として 「債務者はAさんのみ」 とする2つの登記が必要になる。

 (債務引受とは、要するに、「母親と妹の支払義務は、Aさんが引き受けました」という合意を意味する。)

 一般的な感覚でいくと、

 【父親が亡くなった → 話合いの結果、債務者はAさんのみで決定】

 となれば、

 債務者変更登記も【 父親 → Aさん】 の1つで終われそうな気がするが、

 このあたりの時系列について不動産登記法はかなり重要視している。

 

 不動産登記法上は、下記のような流れと認定している。

 【父親が亡くなった → 債務者は母・Aさん・妹】

 【母・Aさん・妹(と金融機関)で合意 → 債務者はAさん】

 このような2段構えで権利変動が発生していると評価し、それぞれの登記申請を要求している。

 

必要となった手続き内容

 不動産の名義変更(Aさん取得分)、

 不動産の名義変更(Aさんの母取得分)、

 不動産の名義変更(Aさんの妹取得分)、

 債務者の変更(相続)、

 債務者変更(債務引受)

 及び上記手続きに附随する書類等作成

 

手続き費用(報酬)

 上記の手続きにかかった司法書士報酬は22万7100円(税込)

 別途、登録免許税等その他実費


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