先日、抵当権と根抵当権の順位変更登記の
依頼がありました。
備忘録的な内容になりますが、
その流れについておさらいをしておこうと思います。
まず
A銀行より、
「新規で4物件に抵当権設定後、
先順位のB銀行と4物件すべて
担保権の順位変更をしますので、
手続きをお願いします」
と依頼の電話を頂きました。
要は
1番抵当権B銀行
2番抵当権A銀行(←まず新規抵当権設定)
↓
1番抵当権A銀行
2番抵当権B銀行 へ順位変更するもの。
了解したものの、次の3点につき疑問になりました。
① 順位変更契約書はどの順番でもらうのか
② 順位変更契約書は何部必要か
③ 一括申請OKか
①については、正しいのかどうなのかはわかりませんが
当事務所にて作成したものを、先順位に上がるA銀行から
押印をもらう。
次に後順位に下がるB銀行へ押印してもらうといった流れで行いました。
銀行間で押印書類を回すなんてことはやってもらえませんでした。
②については、これも結局何が正解なのかよくわかりませんが、
先順位になるA銀行は確実に原本がほしいのは間違いないと思います。
ただ、後順位に下がる銀行は、原本ではなくコピーでもよいという運用を
しているところもあるようなので、
原本2部必要かはここで事前に確認すべきかと思います。
③最後になってしまいましたが、
順位変更は
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共同担保において各不動産についての
順位変更に係る担保物権の順位番号及び変更後の順位が
すべて同一である場合、同一の申請情報により
一括申請をすることができる
(昭和46年12月27日民甲960号依命通知)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
という通知があるので、
①共同担保であり
②各抵当権に付された順位番号と変更後の順位番号がまったく同じ
であれば、一括で申請できます。
私の場合、それぞれ4物件にまたがる共同担保でしたが
各担保権に付されている順位番号がすべてバラバラだったため、
②の要件を満たさず
順位変更登記を4件申請しました。
(ちなみに順位変更契約書は1枚をもってすべて記載し、
登記原因証明情報を4枚つくりました。)
なお、申請の順番は、
①抵当権設定→②③④⑤順位変更 の流れで連件で申請しました。
そのため、
順位変更の登記原因証明情報中、
登記の原因となる事実又は法律行為の箇所に
それぞれの担保権の、
受付年月日・受付番号を記載する必要がありますが、
新規抵当権の部分は申請段階では受付年月日しかわからないため、
受付番号は空欄のままPDFにし、オンライン申請しました。
怖かったです。
郵送する際、空欄のままで良いか法務局へ確認し、
そのままでよいとのことだったので、
原本も受付番号を空欄のまま送りました。
ただ、同登記原因証明情報中、
変更後の順位として、何番抵当権が何番抵当権になるのかについては、
必ず記載する必要があります。
新規抵当権が乙区何番で登記されるか、慎重に先読みして
記載してください。
抵当権抹消登記を前提登記で入れる場合は、要注意です。
具体的な順位変更における添付書類の中身については
こちら(順位変更登記の合意書と登記原因証明情報)の記事で紹介しています。
悩みどころ満載だったので、
参考になれば幸いです。
司法書士 岩井保寛